6・7月経過

■ 積極的学習と消極的学習~フリースクールにおける学習の分類~

 フリースクールみなもにはさまざまな学習の形態が存在しており、子どもたちのニーズや特性に応じてそれぞれに合わせた勉強ができるように努めています。それもあって、子どもたちの勉強の方法は多岐にわたっています。
 
  「お昼の授業の時間」・「個別指導塾みなも」などの定期的に学習するタイプの授業に参加して、毎日のように勉強に励んでいる子どももいます。「朝の学習の時間」、「自習」などの定期的ではなく、気が向いたときにのみ教科学習を行い、自分のペースを大事にしながら勉強をしている子どももいます。そして、特に教科学習をしておらず、フリースクールでのびのびと過ごしている子どもも、もちろんいます。これは単純に勉強しているから良い、していないから悪いという問題ではありません。一人ひとりに応じて、適切な活動や支援を提供できることが、フリースクールにとって重要なことだと考えています。
 子どもが「今は勉強したくない。思いっきり遊びたいんだ。」と訴えているなら、その子にとっては、その段階では勉強することよりもフリースペースでやりたいことを楽しむことが必要なんですね。勉強のことなんか気にせず、友達と思いっきりゲームをするというのも大事なことです。
 
 さて、研究テーマでもある『フリースクールでの教科学習』についてのお話に戻ります。当法人では、基本的に勉強するかどうかは子どもの意思に任せているのですが、勉強している子どもたちも結構な人数がいます。
 
 子どもたちは、いったいどういう目的で勉強しているのでしょうか。まず、受験や試験などを決めて、積極的に学習を行っている『積極的学習タイプ』の存在を感じられます。このタイプの学習は、学習・授業の時間に数多く参加し、空いている時間も自習をしている事が多いです。フリースペースには息抜きや休憩に行くという感じでしょうか。
 その一方で、なんとなく勉強しなければいけないという義務感によって学習に至っている『消極的学習タイプ』の存在も感じられます。こちらは学習・授業の時間には少し参加し、それ以外はフリースペースで存分に活動している傾向がありそうです。『消極的学習タイプ』の存在は、フリースクールという子どもの自由意思を促す環境・雰囲気の中であっても学習への義務感は残っていることが示され、これは2013年度の調査研究において導いた結論の1つである「学習に対する変わらない思い」があるという点とも整合がありそうです。ただ、『消極的学習タイプ』ではいけないという話ではありません。むしろ、そのような学習が子どもたちを「元気」にするにあたってよい方向に作用することも考えられそうです。
 
 まだまだ研究とは言い難いレベルでのカテゴリーでしかありませんし、このあたりの研究を今後も突き詰めていきます。

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