研究倫理

■ 研究倫理・個人情報の取り扱い

 フリースクールにおける研究は、そこで過ごしている「人」を扱う研究といっても過言ではありません。そのため、調査研究にあたって「個人情報」を取り扱うことを避けることはできません。
 
 個人情報保護法によると、個人情報とは「生存する個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの (他の情報と容易に照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む)。」とされています。この法律に基づき、当法人における研究では個人情報の適正な取り扱いを行うための対策を厳正に行った上で研究を行います。  
 
 
■ 『研究協力者の人格の保護』
 
 研究によっては、インタビューを用いた聞き取り・面接調査を行うことがあります。研究に協力して下さる子ども・保護者・その他全ての関係者(以下、研究協力者)においては、事前に書面による研究協力者の了承を得るようにいたします。また、同時に全ての研究協力者は「研究への協力を拒否する権利」を有することを伝えるようにしています。また、研究そのものへの協力を得られた場合においても、答えたくない質問については回答を拒否してよいことを伝えるようにしています。
 
 調査にあたっては、研究協力者の人格の保護に最大限の配慮を行います。しかしながら、研究内容によっては、研究協力者が聴かれることを嫌う可能性のある質問を行わざるを得ない場合があります。そのような質問を行う場合、その質問が、興味本意ではなく研究において必要不可欠であり、フリースクール研究において意義を有するものであるかどうかを十分に吟味した上で行います。  
 
■ 『研究協力者への説明』
 
 原則として、全ての研究協力者に対し、研究・実験の目的、収集したデータの利用の仕方、結果の公表方法などを調査を行う前に書面でお伝えいたします。
 しかし、研究内容によっては「秘匿調査」を行う場合もございます。秘匿調査とは、参与観察など対象者に知られないで観察することに重要な研究上の意義を含むものや目的を偽って調査に参加してもらう虚偽調査が研究上の重要な調査手段になるものをいいます。この場合は、事後承諾という形になりますが、研究内容を秘匿する意義がなくなったときに直ちに研究・実験の目的、収集したデータの利用の仕方、結果の公表方法などを公開します。  
 
■ 『個人情報の保護』
 
 個人情報の取り扱いにあたって、研究協力者の氏名は、本人の強い希望が無い限り原則公表いたしません。生年月日・性別など研究の基本情報・基本属性にあたる個人情報は、必ず公開の是非を確認いたします。また、個人情報は符号(協力者A、協力者Bなど)を用いて表すことで匿名化を行います。
 研究によって取得した情報が外部に漏えいすることを防ぐため、一切の個人情報の当法人の外への持ち出しを行わず、また、その情報は鍵をかけて厳重に保管いたします。
 また、データ分析が終了して不要になった個人情報はシュレッダー等を用いて復元不可能な状態にした上で破棄いたします。  
 

■ 『他者の研究の尊重』
 
 先行研究の使用にあたっては、その研究に敬意を払い、著作権法によって認められた適切な形での引用を行います。
 
 
※『』の語句を以下より引用しております。
社会学における研究倫理の基本指針─他者を尊重し自分に誠実に行動する 社会学研究室(東京大学)2010.04.07

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