全国で不登校の子どもたちは、小中学生で約12万人、高校生の長期欠席者も含めると約18万人にも上ります。少子化の進んでいる昨今ではありますが、この数字は十数年横ばいであり、実質上増加していると言ってもいい状況です。
にも関わらず、そうした子どもたちが学校に代わって選択できる教育の場は決して多くありません。
そこで私たちは、そうした学校に行けない子どもたちが不利益を被ることなく育っていける社会を目指して、様々な活動を行っています。
ミッション1:不登校の子どもたちの直接的なサポート
まずは主に阪神間に在住する不登校の子どもを直接的にサポートすること、これが当法人の第一のミッションです。この実現のため、当法人では次の事業を行っています。
フリースクールみなも
学校に行っていない子どもたちにまず必要なのは、学校に代わって通うことのできる居場所。この居場所には、必ずしなければならないカリキュラムはありません。それぞれがその日にしたいこと、学びたいことを自分で選び、過ごします。
このことは、まずは子ども達にとって気軽に来られる「安心して通える居場所」であるために必要であるほか、教育的な意義においても、「子どもは学びたいことを学びたい時に学んでこそよく伸びる」とした西洋発祥の『フリースクール』の方針でもあります。
学習の面では、小学~高校までの内容に準拠した学習の他、さまざまな体験学習やイベントも、子どもたちのニーズに応じて開催。多様な子ども達の興味関心に応じ学びを行っています。
フリースクールと併設の通信制高校サポート校部門
不登校の子ども達が直面するのは、高校以上の進路の問題。就労や進学において、多くの場面で求められる高校卒業の学歴。
当法人では、通信制高校と提携することで、フリースクールに通いながら高校卒業を目指す「サポート校」の体制を整えています。
個別指導塾みなも
フリースクールが学校に代わる場としてありますが、進路として進学を選択した際には、やはりさらなる学習が必要となります。そこで夕方以降には個別指導の学習塾を開催。卒業までではなく次の進路につなげるところまで、みなもではサポートを続けます。
ミッション2:不登校の子どもを持つ保護者のサポート
親カフェ-不登校の子どもを持つ保護者の相談と交流の場
不登校になってしまった時、不安なのは子どもだけではありません。親も子も困惑し、本当につらい思いをため込んだまま、 孤立してしまうことがあります。
そんな時、ため込んだ思いを互いに分かち合い、ひとりではなく誰かと共に、子どものことや親自身のこと等を考えていく場、それが親の会です。
誰かとつながること、仲間と出会えること……それは子どもたちにも親御さんにとっても、すばらしいことだと思います。共に楽しく交流しながら、今の足元から未来へとつなげて行きましょう。
パパ活-「お父さん限定」の相談と交流の場
親カフェをはじめとする不登校の子どもを持つ保護者の会は、どうしてもお母さんが中心になりがち。
そこで当法人では、隔月で「お父さん限定」の集まりも設けています。
ミッション3:間接的なサポートのために
ネットワーク活動-中間支援団体との関わり
不登校の子どもたちのサポートは、当NPOだけでは完結しません。志は同じくしながらも、みなもにはできなくて他の団体ではできること、逆に他の団体にはできなくてみなもならできることなどがあります。
また子どもたちにも、みなもに合う子ども・合わない子どもはいて、逆もまた然りです。学校に合わない子どもの代替の教育が必要なのと同様「あるフリースクールに合わない子ども」のためにも、複数の特徴の違う教育の場は、共存してしかるべきです。
そのためみなもでは、日頃より多様な学びの場との交流を盛んにし、また各種ネットワーク団体に参加し、互いの紹介やノウハウの交換、身近なところでは子ども達のイベントを共催したりと、他団体との協力を密に行っています。
当団体、もしくは当団体スタッフ個人が加盟し、連携しているネットワーク団体
調査研究-フリースクール等のさらなる発展を目指した研究
「フリースクールが不登校の子どもたちの居場所や学習の場として一定の役割を果たしている。」…昔に比べれば、そのような認識も社会的に大きくなっていると感じています。
しかしながら、フリースクールの支援は、理論に沿ったものというより経験則によるものが多く、このような観点から日本におけるフリースクールに関する研究はまだまだ未発達であると言わざるを得ません。
当法人における子どもたちへの支援や取り組むべきことを明らかにするため、また、日本におけるフリースクールの意義・社会的役割を明確にするため、フリースクール・学習塾やそれに関連する研究を行っていきます。
ミッション4:新しい教育の場として
フリースクールとは、今でこそ日本では「不登校の子どもの居場所」として知られています。
当法人もそれを重要なミッションとしていますが、「フリースクール」とは、元をたどると西洋で始まった教育手法の一つを指す言葉…。それは、子どもが「自分が何者になるかを自分で決める」育ちの場。大人が「どう育てるか」を決めるのではなく、子どもが自分自身で「どう育つか」を決める教育の場 です。
「フリースクール」は、不登校の子どもたちのサポートの場であると同時に、日本の新しい教育の担い手でもあります。
もちろん既存の学校も必要な教育の場です。しかし、そうした教育が合わない子どもが選択できる他の教育もあっていい。当法人は、そうした新しい教育の認められる社会の実現を目指します。
詳しくは右のボタン「フリースクールとはなにか」をご覧下さい。