2013年度文部科学省事業

■ フリースクールにおける子どもたちの過ごし方と進路選択の家庭

 NPO法人フリースクールみなもは、2013年度にも文部科学省の委託を受けて、フリースクールの視点から不登校問題についての調査研究を行いました。
 
 不登校問題を支援するための取り組みは、公立の適応指導教室やNPO法人等民間において現在も様々な所で行われています。そして不登校の子どもや高校中途退学者の支援形態として、とりわけ民間のフリースクール等でよく採用される方式に「居場所」と呼ばれる形式があります。この方式は不登校の子どもが「元気」を取り戻すために最適であることが、フリースクールで働く支援者の経験則では把握されていました。それゆえ、フリースクールみなもにおいても、この「居場所」形態の支援を採用しています。
 
 2013年といえば「フリースクールみなも」も設立から既に9年が経過していました。確かに、「居場所」という形態を用いた支援方法は、不登校の子どもたちの「元気」を回復させることに貢献し、ついには卒業して、大学や専門学校を始めとした新たな進路へと旅立っていく子どもたちもたくさん出てきました。
 
 しかしその一方で、その有用性の証明について、支援者の経験則に頼りきっているという側面が大きいという問題があり、理論的な考察は決して多く行われてきませんでした。「どのような支援や環境が、子どもたちを「卒業」まで導いたのか」…私たちは、フリースクールで働く上で明らかにすべきことであると考えました。
 
 以上の点から、2013年度の文部科学省事業においては、不登校になってからフリースクールに通い、次の進路を見つけて卒業していくまでに子どもたちはどのような過程を経ているのかを明らかにすることを目的に調査を行いました。そして、今後の不登校の子どもたちに対する活動をより充実させるために、子どもたちの過程を踏まえて「居場所」というgame_sugoroku機能の有用性やそれが持つ機能、不登校の子どもたちに与える影響を考察しました。ここで得た結果や考察は、あくまで全体の傾向としてですが、「子どもたちはフリースクールに通って卒業していくまでこんな道筋を通っているんだ!」という一応の目安になると思われます。フリースクール業界を始めとした教育・学校の関係者の皆様、不登校のお子様をお持ちの保護者の皆様、フリースクールに興味のある研究者や学生の皆様にとって、少しでもご参考になれば幸いと存じます。

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