ボランティアについて

Q. ボランティアは何をすればいいんでしょうか?

A. 「何かをしてあげる」(勉強を教えてあげたいとか、遊びを教えてあげたいとか)という事をメインで考えてしまうと、ちょっとまずいことになると思います。

 それよりは、一緒に楽しい時間を過ごす……ということをメインに考えていただければいいでしょう。その意味で、あらかじめ子ども達との共通の話題、例えばゲームとか、スポーツとか、マンガとか、歌手とかの話題を共有できそうであれば、よりうまくいくと思いますし、あるいは、子どもが興味を持っている事に自分も興味を持つ、という姿勢で接していただければと思います。

 子どもから話しかけやすい雰囲気を作ってもらえればよりいいですね。 また、「これこれのことをして欲しい」と(例えば一緒にどこかへ行くだとか)と言われることがあれば、それをしていただけると助かります。 基本的に、子ども達にとって「頼りになることもある友達」という感じでボランティアをしていただけたらと思います。

Q. ボランティアに向いているのはどういう人でしょうか?

A. 「子どものために」と必要以上に意気込んでいる人よりは子どもと一緒に「自分も楽しみたい」と思える人の方が子どもとうまくやっていけることが多いですね。やっぱり遊び相手をするにしても、合わせて遊んでいる人より本気で楽しんでいる人の方が、子どもも楽しいようです。

 言い方を変えれば、ある種の「子どもっぽさ」を持っている人でしょうか。もちろん、安全管理や子どもに対する配慮などは大人でなくてはなりませんが、遊ぶ時だけは子どもと一緒にはしゃいでもらってよいです。

 あとは、みなもに限定して言えば、普段の空気が日常生活の延長のような感じなので(まったりしながらゲームをする、マンガを読む、等)、そういう「のほほん」とした時間を楽しめる方の方がよいかもしれません。

 変な話、学校や塾のような「教育機関」というイメージで来るとかなりギャップがあると思います。もちろん、そういう場が結果として子ども達によいものになると考えてこそ、そうしているわけですが。

Q. ボランティアとして心がけることは?

A. ボランティアをお願いしておいてこういうのも変な感じですが、スタッフの方から「~をお願いします」と言うことは少ないです。というのは、上記のような仕事なので、スタッフよりもむしろ子どもの側からの要望に応えていただくことになるからです。

 ということは、必然的にある程度積極的に子どもとの関係を構築する努力は必要になります。子どもの方もそれなりに仲良くなったボランティアの方に行きますしね。(そういう意味でも、子どものする遊びを楽しめる方がスムーズに関係を築きやすいですね。)

 ただ、一方で場の性格上「強制」ができないので、あまり強引に遊びに誘ったり…ということもできません。(大体にして、過度に強引になると子どもは逃げますしね…。)そのさじ加減は難しいところではあります。

 また、やはり人と人との関わりなので、どうしても相性の合わない子もいます。そのへんはどうしようもないです。(これは子どもにも同じことが言えるわけで、どうしてもみなもに合わない子もいます。だからこそいろんな場を選べるために、もっとたくさんの フリースクールがあるべきなんですが……。)

 まあボランティアの方の場合は、全員と関わりを持たなくても、仲良くできる特定の誰かがいればOKです。全体的な調整はスタッフが気を配っていきます。

Q. フリースクールで有給スタッフになりたいと思うのですが、どうすればなれるんでしょうか?

A 一般に、「有給スタッフ採用試験」などというものはなく、かなり運に左右されます。

 具体的には、フリースクールでボランティアとして参加しているうちに、有給スタッフの数が足りなくなったり、誰か有給スタッフが辞めたりした時に、フリースクールの代表やスタッフが、「あの人にやってもらえないだろうか」と目星をつけた人のところに話が来て、もし条件が折り合えば有給スタッフとして採用される……ということになります。

 ただ、中には、ボランティアに行ったこともなかったけどいきなり話が来たとか、初めて行ったフリースクールでボランティアを申し込んだら、有給スタッフとしてどうか、という風に言われた、という例などもありますが、それらはかなり珍しい例でしょう。

 ただ、運だけでなく、ボランティア、あるいはスタッフとしての能力や信頼度や人格はどうか、ということでも、話が来るかどうかは変わってきますし、ボランティアをやっている中でも、「自分はこんなことをしてみたいと思うのだけど」と提案をしていって、それを実現させていけば、フリースクールの中でその部門が独立することもあり得ます。

 あるいは、自分でフリースクールを作ってしまうのが、有給スタッフへの確実な道かもしれません。ただ、収入が確実に得られるかどうかはまさしく能力次第か、運次第かということになりますが……。

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